Lopital Market

日本株グロース投資家です。

企業分析〔千葉興業銀行:8337〕

今は亡き知人の行った企業分析です。

 

◎2021年3月期決算概要
経常収益:49,986百万円
経常利益:7,224百万円
純利益:4,763百万円
1株当たり純利益:57.34円
純資産:182,491百万円
1株当たり純資産:1,938.72円
配当金総額:177百万円
1株当たり配当金:3.00円
利益剰余金:83,613百万円

◎株価等の概要
株価:269円
時価総額:16,738百万円
PBR:0.09倍
出来高:164,700株
発行済み株式総数:62,222,045株

◎株価低迷の原因として考えられること
日銀によるマイナス金利政策により、金利が低下し金融機関の利ざや収入が減り収益環境が悪化している。
銀行間の送金手数料が改定され振込手数料収入の高止まりが是正される方向に進み手数料収入が落ち込む可能性がある。
都市銀行や地方銀行の銀行業の数の多さにより収益機会が限られている。

◎今後のプラス要因と考えられること
日銀によるマイナス金利政策は物価上昇率2%を目指してのものであるが、マイナス金利政策による物価上昇率への影響は限定的で、新型コロナウイルスによる経済へのダメージに対する資金供給も今後新型コロナウイルスの収束とともに減少することが予測されるため、資金余りの状況による低金利政策の限界が考えられる。
また、中央銀行による大量の資金供給は自国通貨安誘導との批判を浴びる可能性が高い。実際にアメリカは政策金利を引き上げていくことが大いに考えられるため、為替操作国として日本は批判を浴びることが予測される。
アメリカからの圧力に弱い日本の体質や実際に資金供給やマイナス金利導入によるインフレ誘導が上手くいっていない現状からも今後の銀行の収益機会に対してプラスに働く可能性がある。
また、日本の銀行は数が多すぎるため、SBIHDの戦略からも考えられるように銀行同士の再編が今後考えられる。そのため、再編圧力や金利の正常化により銀行の株価低迷に歯止めがかかる可能性が十分に想定される。
利益剰余金の大きさや現金預け金の大きさから配当余力は非常に大きく配当金の増額余地や自社株買いの余力が非常に高いため、株価上昇への方向への株主提案を行いやすい。
銀行業の配当利回りを比較しても配当金額が低く抑えられている。

◎株式の集めやすさ
東証1部上場ではあるものの、発行済み株式総数から見た出来高を考えると、株式を集めていくのは非常に困難さが想定される。

2021年3月期決算短信〔連結〕

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2586/tdnet/1971070/00.pdf