ひつじの窓

人生の春休み🌸

時計が刻むのは

女性のマウンティングほど恐ろしいものはない。

かく言う私も一時期そのマウンティング戦争に悩まされた。

自らその舞台に降りずとも、知らぬ間に巻き込まれているのがこの戦争の特徴だ。

ただ、この戦争がどれほど馬鹿げたことかと気づかせてくれたのもまた知人だった。

今回はその知人の話を書く。

正確には、幼稚園入学前から私が収容されていた塾で知り合った私の母親のママ友の子どものうち最年長の女性のお話だ。

彼女は中学受験をし、私立中高一貫校から都内の某私立大学へと入学し、今は広告代理店で勤務している。

彼女の家も、私と同じく都心のベッドタウンとして知られる始発駅の1つを最寄駅としている。

美人とチヤホヤされ、大学時代から合コンを重ね、アルバイト先でも可愛がられていた典型的な都心デビューした女の子で、様々な出会いに恵まれていたためか、学生時代から、年収3000万の人と結婚すると豪語していた。

3000万は流石に現実的じゃないだろ、と思っていたが実際2000万超えの会計士か何かと結婚し、港区の山手線の駅を最寄とする一等地に住んでいる。

見た目や性格ではなく、お金で選んだらしい。

たしかに見た目の雰囲気がパッとしない気もする。

そもそもお金で選んだと言ってしまうほうも気が狂っているというかあまりにも素直というか、、、

それで上手くいっているなら問題なかろう。

だが、マウンティング熱がある彼女の母親は私の母親に、娘の結婚式の費用から何から公開し、持ち物にも多額の費用をかけていることを自慢してくるのだ。

そう、それだけのお金持ちとウチの娘は結婚したのよどうか参ったかしらと言うように。

都内の有名ホテルでの挙式を夢見るレディの願いを叶えてくれる従順な旦那様なのね…と冷ややかな目で見るもよし、それに嫉妬しマウンティングを取り返すもよし。

取り合わないのがもちろんベストだが。

私の母親は私が中学受験のときに通っていた時にお迎えに来ていた奥様方と今でも仲が良く、その層との付き合いが1番多い。

だから私もそのマウンティング戦争を垣間見ることがあった。

そのうちの1人が今回のヒロインだ。

馬鹿な私なので何度もそれに触発されたことがある。

六本木のBMWショールームに併設されているMercedes me Tokyoに家族で行こうとコースランチに連れ出したり、時計やバッグ、お財布を見るためにと麻布や六本木、DAIMARU東京などに何度か行った。

旅行嫌いの私なので海外旅行を自慢されても全くもって羨ましいとも思わなかったが、きっとこれはブランド物に何の興味もない人にとって、高付加価値化されたそれにお金を費やす行為は愚の骨頂に過ぎないと感じることと同じレベルのお話だろう。

六本木ヒルズGUCCIには流石に友達同士で入れる雰囲気ではないので、初めて入ったときはちょっとした優越感を感じた。

私も相当毒されていたということだ。

それが分かるようになるのに何年も時間を費やした。

なぜなら私は既に小学5年生の頃にはブランド品の金銭面での価値を知るようになっていたからだ。

その頃から表参道までわざわざ洋服を買いに行っていたし、百貨店で店員さんが付いてくる中で洋服を買うという行為に慣れていた。

自分が愚かな行為だと気付き始めたのは、その広告代理店のOLとなった彼女の自慢話を聞くようになってからだ。

他人の話を聞くことにより、自分が気づかされることのなんと多いことか。

もちろんブランド品そのものを手に入れるのは案外簡単なもので、ウン十万円したところで手が出ないわけではないし、質屋に出回る中古となれば、見た目は新品同様でも一般人の目には何も分からない。

アウトレットで展開されているブランド品だって、実は百貨店で売られているものと異なるラインナップがされている有名店があることだって殆どの人は気にも留めないだろう。

つまり、元々安く売られることが前提とされているアウトレット限定のデザインということだ。

COACHが良い例だ。

見分け方を書いたウェブサイトも検索すればいくつも出てくる。

そのほかにも、例えば直営店で正規購入した証としてのロレックスの保証書に刻まれている名前だって、他人が見ることはないわけだし中古品だって構わないという人だって大勢いる。

案外どうでもいいことに囚われていたのだなと感じるようになった。

そしてそんなマウンティングに参戦する意味のなさを身をもって知った。

きっと、上には上がいると羨んでいるうちは目が覚めないのだなと。

たしかに日経ビジネスに出ていた2700万円の時計はかっこよかったし、お金を出せば手に入るものも多い。

だが、それを手に入れ周りに自慢したところで何も得るものはない。

むしろ失うものの方が多いのではなかろうか。

心象は良くない。

自分がそれらにこだわりを持ち、お金をかけている分には何も問題ないと思う。

なぜならそれは、その人の個性を引き出すアイテムの一つだからだ。

だがそれをマウンティングの材料として他人を挑発する行為はひどく愚かなことだ。

個人的には、もっと内面から輝ける女性になることに時間を費やしたいと思ったし、むしろ私の目を覚まさせてくれた彼女には感謝している。

自分が好きなデザインの洋服やアクセサリーで自分らしく着飾ることの方がずっとずっと素敵なことだ。

「その眼鏡素敵だよね。絶対いいやつでしょ。どこの?」

と聞かれたときにJINSだと言ったら驚かれたが、それくらい値段や価値なんて見た目に比例しないのだ。

こう言われたことは嬉しかったし、やはり自分らしく彩れることが私を私たらしめるのだと思った。

一体どういう意味でその言葉を投げかけているのか分からないが、私も母親も「お嬢様でしょ?」と言われることが多かった。

気取っていたからなのか、それともただ持ち物で判断されただけなのか分からないが、身に纏うものやその人から醸し出される雰囲気はその人のイメージを良くも悪くも作り上げるものだ。

ただハイブランドのバッグを持っていてもその人の雰囲気に合っていなければ浮いてしまうだけだし、必ずしも良いイメージがあるわけではない。

やはり個性を大切にすることがとても大切なのである。

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待ち合わせはいつも恵比寿で

恵比寿の個室レストランで彼とディナーするのは一体何度目だろう。

仕事終わりによく行く行きつけのバーで二次会し、彼の住んでいる中目黒のタワーマンションに泊まるまでが、私たちの平日デートのいつものコースだ。

気づけばもうこんなことを3年間もしている。

今日は私の28歳の誕生日兼私たちの3年目の記念日だ。

もう結婚している同期も増えてきて、私たちももうそろそろ…

期待と不安を胸に、私は待ち合わせ場所へと向かった。

少し仕事が長引きそうと、集合時間を30分ほど後ろ倒しにしていたが、彼は私よりも先に着き、私の到着を待っていた。

小走りで彼に駆け寄る。

「お待たせ。待たせちゃってごめんね。」

「いや、俺も今着いたところだよ。さぁ行こう。」

私たちは予約していたレストランへと向かった。

彼は私たちの記念日にはいつも花束とBVLGARIのチョコレートとともに手書きのメッセージカードをプレゼントしてくれた。

私はそんな優しくて素敵な彼のことが自慢だった。

そんな彼と過ごすこのプライベートな時間が、私にとって何よりの幸せだった。

コース料理最後のデザートが出てきた時、店員さんが大きな花束をかかえてきた。

いつにも増して素敵な花束だった。

彼は店員さんからそれを受け取ると、軽く会釈をして私のほうを向いた。

「誕生日おめでとう百合奈。」

私が花束に目を奪われているあいだに、「3rd year anniversary」と書かれたデザートプレートが運ばれてきた。

ここまでは毎年恒例のイベントだった。

そして私が花束を受け取ると、彼はすかさずビジネスバッグの後ろに隠してあったBVLGARIのチョコレート…ではなくそこには「Cartier」の文字が。

私は息をのんだ。

もしかして…

「もう1つ百合奈に渡したいものがあるんだ。」

そう言うと彼はその高級感溢れる紙袋の中からジュエリーボックスのようなものを取り出しその蓋をあけた。

「お待たせ百合奈。百合奈と3年目の記念日を迎えられてとても嬉しいよ。あと、こんな僕で良かったら…結婚してください。」

 

 

 

ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ…

部屋に響き渡る大音量のアラームに私は飛び起きた。

…いいところだったのに。

今日は日曜日。

間違えて昨晩アラームを設定してしまっていたようだ。

ベッドから出る気が起きない私はしばらく羽毛布団にくるまり、何の模様も傷もない真っ白な天井を見つめていた。

昨日友人と銀座で飲んだからこんな夢を見たのだろうか。

BVLGARIのチョコレートも、Cartierの婚約指輪も、私には無縁の産物だ。

コリドー街を歩きながら、すれ違うカップルを目で追っていた。

理想のシチュエーションが夢の中でだけでも味わえたのは、私の日頃の行いが良かったからだろうか。

付き合って5年目となる今年も彼から結婚の「け」の字が発せられることも、将来の話も全くない。

将来の話を振ったところで曖昧な返事しか返ってこないのが現実だ。

私ももうすぐ30になる。

将来のこと…自分のキャリアやプライベートな時間の過ごし方について今一度考えなければならない。

両親ももうすぐ定年を迎える。

私はスマホアプリのLINEを起動し、彼氏の名前を探した。

「今日空いてる?」

そう打つと、また布団を深く被りもう一度眠りについた。

 

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エロ本

別に彼氏の部屋にエロ本が2,3冊置いてあったところで一読して元の場所に戻す程度にしか興味がない。

別に隠す必要もないと思う。

むしろ本でいいのかと感心する。

かく言う私は昔ニッセンのランジェリーのページにエロさを感じていたから人にああだこうだ言える分際ではない。

警察官だってある程度は無料のAVサイトがないと困るだろうから、規制のしすぎはやめて欲しいと思うと同時に、性犯罪はまた別問題なので混ぜるな危険と言いたい。

セックス=悪なイメージばかりを押し付ける親というのも減って欲しい。

あなたも経験者じゃない、と。