ひつじの窓

物語とか思ったこととか

居場所 2

しばらくの沈黙の後、ユメは膝の上でうずくなりながら私に話しかけてきた。

「ゆきちゃん、大好きなゆきちゃん。」

「どうしたの?」

「ずっとこのままいたいな。」

「うん、私も。」

「ゆきちゃんあのね、私ゆきちゃんのことが心配で今日あなたのおうちの前まで行ったのよ。もしかしたらいるかなと思って。最近ゆきちゃんが泣いている夢ばかり見るの。何が辛いことでもあったのかなと思って…。」

私を心配してここまで来てくれたのか。

最近の私は、たしかによく泣いていた。

自分の思っていたような未来が見えなくて、社会に埋もれていってしまうことに、どこか寂しさを覚えていたのかもしれない。

今となっては大学も、楽しい場所というよりは実験をするために閉じ込められた収容所でしかなかった。

たしかに私は、少し疲れていた。

ユメは私の膝から降り、ベンチのそばにある水たまりの前に座ってこちらを見てきたので、私も水たまりの近くに屈んだ。

私とユメの顔がうつっていた。