ひつじの窓

物語とか思ったこととか

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会社説明会エントリーシートの締め切りに追われながら合間に研究を進める春休みというのは、もはや休みと言えるものではなかった。寒暖の差が激しく風邪を引きやすい条件が揃っている中リクルートスーツで街中を歩き回るというのは、ある意味拷問でもあった。説明会会場では隣の席の人に話しかけられることもあったが、話す内容は皆どれも同じようなことばかりで全く記憶に残っていない。ただやはりコミュニケーション能力の高い人たちというのは一定数いるもので、話しているだけで「あの人はすぐに内定がもらえそうだな…」と感じるものである。就活と恋活は似ているということを実感するようになったのもこの時期である。ある本に書かれていた「モテる奴から内定をゲットしていく」という言葉が強ち嘘ではないと思うようになった。そして自分の顔を鏡で見てひどく項垂れた。